環境・エコ日記

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ドイツのダイムラー社、「メルセデスベンツ」エンブレムの蓄電池をグローバル販売

高級車「メルセデツベンツ」の蓄電池、世界に向け販売

 

ダイムラーは、蓄電池のグローバル展開に向け、新たに定置用蓄電池の専門子会社「Mercedes-Benz Energy(メルセデス・ベンツ エネルギー)」を設立しました。4月からドイツ国内で販売していた「メルセデツベンツ」をブランドとした蓄電池を、海外展開する形です。

新会社である、メルセデス・ベンツ・エナジーの本社はドイツ東部のザクセン州カーメンツに置かれます。事業としては、家庭用および産業用リチウムイオン蓄電池の開発・販売・施工を担当します。今後はダイムラーの世界ネットワークを活用して国際化を進めるとともに、パートナー企業などと提携して事業拡大する方針です。例えば、米国市場ではシリコンバレーにあるシンクタンクの「Mercedes-Benz Research & Development North America」との連携も強化していきます。

 

新会社、当初は50人の従業員で事業を開始

新会社の「メルセデス・ベンツ・エナジー」は当初、従業員50人で事業を開始します。従業員数は段階的に増やしていく方針であり、2016年末までには100人に増加、2017年末までには200人に増員する見込みです。新子会社の社長には、ダイムラーグループで駆動システム分野などに携わってきたMarcus Thomas(マークス・トーマス)氏が、2016年7月1日付で就任する予定です。

 

生産部門は、既存の別子会社が担当

ダイムラー社は自社ブランドの電気自動車などに搭載するリチウム蓄電池を、2009年に設立されたダイムラーの100%子会社「Deutsche ACCUMOTIVE(ドイッチェ・アキュモーティヴ)」で開発してきました。定置用および自動車用のリチウムイオン電池の生産部分は引き続き「Deutsche ACCUMOTIVE」が担当します。

ダイムラーの「Development Electrics/Electronics and E-Drive」の責任者であるHarald Kröger氏は、「2017年からは、ドイッチェ・アキュモーティヴが全てのメルセデス・ベンツモデルに対し、蓄電池を供給する予定」と説明しています。また、ダイムラーは2016年3月に、「ドイッチェ・アキュモーティヴ」の生産能力を増強するため、約5億ユーロを投資してカーメンツにある既存工場の隣接地に新工場を建設する計画を発表しています。

家庭用蓄電池でいえば、既に米テスラが「Powerwall」を販売しており、そこには電気自動車で培ったバッテリー技術やノウハウが活かされています。ダイムラーも同様に、これまで高効率蓄電システムなどで蓄積した高度な専門性を活用し、事業を展開していきます。

 

総投資額の半分を環境技術に充当

ダイムラーは13日、電気自動車関連などの環境技術に対し、今後2年間で70億ユーロ(約8400億円)以上を投じると発表しました。総投資額の約半分を環境分野に充て、電気自動車の製品群も拡充することにより、先行する日本メーカーを追う形となります。

トヨタは2050年には、ガソリンを利用する自動車の新車販売をほぼ0にする方針を明らかにするなど、多くの自動車メーカーが環境技術の開発に注力しています。こうした中で、ダイムラー社の家庭用蓄電池のように、自動車以外の分野にも環境技術の応用が進んでいくことが期待されます。

 

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